「The Bet」
主人公のケイシー、幼なじみのジェイクとその兄トラヴィスのお話。
ジェイクとケイシーが同い年で、かなり小さいころから一緒に育ってきたんですが、
トラヴィスはいっつもケイシーを追いかけまわしては嫌われて。
というわけで、ケイシーはトラヴィスのことが大人になっても苦手。
ジェイクとケイシーは親友だったんですが、ある一夜で疎遠に。
それ以降、ケイシーは故郷を捨て、シアトルで暮らしていたのですがジェイクに、
「婚約者と偽って一緒に故郷(バンクーバーだったでしょうか・・・)に3日間帰ってほしい」
っていう話を持ちかけられて振り返らなかった故郷に帰ることに。
そこで、苦手だったトラヴィスとも再会して・・・。
ジェイクは、シアトルの「お金持ちのイケメン実業家」
このくだりを読んだとき、
「シアトルには若くして成功を収める、頭のいい青年が多いんだなぁ」なんて思ったものです。
ですが、ちょっとチャラい・・・のかな?
私は最初、そんなジェイクが心改めてケイシーと愛を紡いでいく話なんだろう・・・って思っていました。
ところが、トラヴィスが登場して、トラヴィスの視点で書かれている章を読み進めて行くうちに、
「お願いだからジェイクはジェイクのままでいてくれ!!」って思うように。
21歳と23歳の男女のキャラクターですが、
幼少の頃、自分の気持ちとは真逆に、ケイシーをからかうことでしか気持ちを表現できなかったトラヴィスは、大人になっても自分の真心を打ち明けられずにいるんですよね。
それがもう読んでいて胸が「きーん」となりっぱなしでした。
けどまぁ大人ですから、ちょっとは前進したりもするんですが。
キャラクターたちの会話など結構笑ったりしたかと思えば泣けたり。
もどかしくって胸が痛んだり。いい1冊でした。
「ベストセラーになった本を片っ端から読もう!」なんて、”片っ端”なんて言える速度では読めないくせに思って、たまたまその週にUSAトゥデイで1位になっていたんですよね。
買った後しばらく放って置いたんですが、
しばらくこれぐらいのさらっとした純愛小説を読みたいです。。
そうそう。これを読んでいて「最近読んでいるもう1冊にも、素敵な”トラヴィス”がいたなぁ」と。
「Walking Disaster」のトラヴィス。
今後、トラヴィスという名前を聞いただけで、好印象を抱いてしまいそうです・・・。